数百万円かけて作ったブースの看板に、自社のサービス名がデカデカと書いてある——実はこれ、展示会で最も多い、そして最ももったいない失敗です。来場者はあなたのサービス名を知りません。知らない名前は、何度見ても「自分に関係ないもの」です。一か八かの出展にしないために、足が止まるキャッチコピーの作り方を、例文20本付きでまとめました。支援先のコピー開発で実際に使っている手順です。来場者は「斜め上」を3秒見て、入るかを決めているまず、キャッチコピーをどこに置くかの話から。来場者が歩きながらブースを見るとき、視線は斜め上——ちょうど電車の吊り広告の位置に行きます。通路を歩く来場者は、この位置にある文字を見て、ブースに入るかどうかを判断しているのです。つまり勝負の場所は、パラペット(ブース上部の看板)や背面パネル上部の、歩きながら読める高さ。ここに何を書くかで、ブースの集客力はほぼ決まります。ブース全体の設計は魅力的な展示会ブースを作るための完全ガイドもあわせてご覧ください。出展者が伝えたいことと、来場者が知りたいことのギャップ来場者が展示会に来る目的は、情報収集・新製品やサービスの検討です。一方、出展者が伝えたいことは専門的になりがちです。ここに大きなギャップがあります。出展者が書きたいこと: サービス名、技術の独自性、機能一覧来場者が知りたいこと: 「それは私の何を解決してくれるのか」「わかる人にはわかる」ブースではなく、情報収集に来た“何もわかっていない人”が3秒でわかるブース。これが原則です。ブランディングも大事ですが、一番大事なのは出展費用を回収すること、つまり受注に結びつけることです。キャッチコピーの基本形|「サービス名」ではなく「課題解決」を書く3秒で伝わるコピーの基本形はシンプルです。【ターゲット】の【課題】を、【こう解決する】× 「クラウド型統合人事プラットフォーム HR××」○ 「経理の月次締め、3日→半日に。」○ 「問い合わせ対応の7割、AIに任せませんか?」数字・疑問形・ビフォーアフターは、歩いている人の脳に引っかかるフックです。サービス名とロゴは、足が止まった後に見てもらえれば十分です。強みを言語化する5つの質問「うちの強みをどう一言にすればいいかわからない」——そんなときは、次の5つの質問に答えてください。私たちが支援先のコピー開発で実際に使っている質問です。なぜこの商品を作ったのか?(原点には課題がある)競合と何が違うのか?(違いはコピーの軸になる)一番困っているのは誰か?(ターゲットが決まれば言葉が決まる)お客様に何を褒められるか?(自覚していない強みは顧客の言葉の中にある)変わったニーズ・意外な使われ方は?(ニッチな刺さり方は強いフックになる)5つの答えから「誰の・どんな課題を・どう解決するか」を組み立てれば、コピーの素材は揃います。あわせて覚えておきたいのが、ブース訴求の鉄則「一点豪華主義」です。自慢の機能を全部見せたくなりますが、書くのは勝ち筋の一つだけ。残りは聞かれたら出す。全部書いた看板は、何も書いていない看板と同じです。展示会キャッチコピー例文20選基本形に当てはめた例文を、パターン別に20本用意しました。自社の商材に置き換えてお使いください。数字で見せる(Before→After)「請求書処理、月40時間→4時間。」「採用コスト、1人あたり▲30万円。」「現場の日報、入力ゼロへ。」「在庫差異、毎月の棚卸しごと無くす。」疑問形で「自分ごと化」する「その見積もり、まだExcelで作ってますか?」「営業の移動時間、月何時間か知っていますか?」「展示会の名刺、商談になっていますか?」「工場の検品、まだ目視ですか?」ターゲットを名指しする「製造業の総務担当者さま、その業務やめられます。」「多店舗運営の本部の方へ。店舗の数字、明日から1画面で。」「情シス1人体制の会社のための、まるごとIT管理。」「建設現場の所長さん、書類は事務所に置いていけます。」課題を言い当てる(あるある型)「『あの件どうなった?』を、社内から無くす。」「電話とFAXの受注、もう限界ではないですか。」「引き継ぎのたびに、業務が止まっていませんか。」「経費精算が、月末の残業理由になっていませんか。」宣言・断言で押し切る「問い合わせ対応の7割は、自動化できます。」「営業未経験でも、売れる仕組みはつくれます。」「紙の点検記録、今日で最後にしましょう。」「展示会の出展費用、回収から逆算しませんか。」展示会の右腕Tips① コピーが2案で迷ったら、ブースで決着をつけてください。初日はA案、2日目にB案をタペストリーで差し替えて、足止め数を数える。私たちの現場では、コピー1つの差で立ち寄り数が目に見えて変わった例がいくつもあります。印刷物と違い、タペストリーなら差し替えは簡単です。ブース動画も同じ原則|「作品」ではなく「呼び込み装置」ブースで流す動画に、会社紹介ムービーをそのまま使っていませんか? 展示会場での動画の視聴時間は3秒未満です。来場者は検索して見に来るのではなく、ただ通り過ぎているだけ。しかも会場は非常にうるさく、ナレーションの声は届きません。展示会のブース動画に必要な設計は、Webやテレビとは別物です。冒頭3秒は「自分ごとの問い」から始める(キャッチコピーと同じ原則)ナレーションに頼らない: 極太テロップとフォントで見せるワンカットは短く、テンポは通行人の歩く速度に合わせる音より動き: 動くデモ・ビフォーアフターの画で目を引くそして最大のポイント。動画は作品ではなく、声かけの口実(呼び込み装置)です。来場者の足が3秒止まったら、その瞬間にスタッフが声をかける。「0秒で刺して、スタッフが刈り取る」——これが展示会動画の正解です。声かけの設計は呼び込みのコツをご覧ください。よくある質問Q. 社名やサービス名はどこに置けばいいですか?A. 足を止めた人が確認できる位置(パネル中段・カウンター)で十分です。斜め上の一等地は課題解決コピーに譲ってください。例外は、サービス名自体が広く知られている場合だけです。Q. キャッチコピーは何文字までにすべきですか?A. 歩きながら読み切れる13〜20文字程度を目安にしてください。それより長い情報は、サブコピーや手元の資料に分けます。Q. 上司が「サービス名を大きく」と言って譲りません。A. 「ブランディングより出展費用の回収が先」というロジックと、本記事のA/Bテスト(初日と2日目でコピーを替えて足止め数を比較)を提案してください。数字が出れば議論は終わります。コピー開発ごと外部に任せる場合は展示会の営業代行・出展支援とはをご覧ください。まとめ: 3秒でわかるブースが勝つ来場者は「斜め上(吊り広告の位置)」を3秒見て、入るかを決めている書くべきはサービス名ではなく「誰の・どんな課題を・どう解決するか」強みは5つの質問(なぜ作った/何が違う/誰が困ってる/何を褒められる/変わったニーズ)で言語化する訴求は一点豪華主義。全部書いた看板は何も書いていないのと同じブース動画は呼び込み装置。冒頭3秒の問い+極太テロップ、ナレーション不要株式会社アストラネクスト「展示会の右腕」では、強みのヒアリングからキャッチコピー開発、ブースの動線設計、当日の呼び込みまでを一気通貫で支援しています。「ブースに人が入らない」原因を構造から直したい方は、無料相談をお申し込みください。