「こんにちは!資料どうぞ!」——通路に向かって声を出し続けているのに、誰も受け取らない。腰も痛い、膝も痛い、そして心も痛い。展示会の呼び込みで、これを経験したことのある方は多いはずです。最初にお伝えしたいのは、無視されるのはあなたの人柄や頑張りの問題ではないということです。誰に・何を・どう言うかが設計されていない声かけは、誰がやっても「空気との会話」になります。足が止まる呼び込みは、設計でつくれます。現場で支援に入るときに使っている設計の手順を紹介します。なぜ「資料どうぞ」は無視されるのか来場者の立場で考えると、理由はすぐにわかります。来場者は1日に何百回も声をかけられ、その大半が「自分に関係ない売り込み」です。だから脳が自動で全部スルーする設定になっています。この自動スルーを突破できるのは、大きい声ではなく、「自分に関係ある」と一瞬で伝わる言葉だけです。×「こんにちは、資料どうぞ」(誰にでも言える=自分に関係ない)×「○○(サービス名)のご紹介です」(知らない名前=関係ない)○「経理の月次締め、まだ3日かかってませんか?」(担当者なら振り向く)○「△△業界の方ですか? 今日は□□をお探しでは?」(自分ごと化)つまり呼び込みのセリフとは、ターゲットの課題を質問の形にしたものです。サービス名を連呼するのではなく、相手の困りごとを先に言う。この原則はブースのキャッチコピーとまったく同じです(キャッチコピーの作り方)。展示会の右腕Tips① 声かけのセリフは「バッジを見てから選ぶ」二段構えにしてください。来場者バッジの区分・色でターゲットかを判断し、職種に合わせたフレーズを投げる。全員に同じセリフを言うから無視されるのです。バッジ別フレーズ表を作って、開場前にチームで読み合わせましょう。声かけが苦手な人こそ「仕組み」で解決する「声かけが恥ずかしい」「何を言えばいいかわからない」——この悩みは、根性や慣れではなく仕組みで解決します。①セリフをマニュアル化する呼び込みの第一声・二声目・断られたときの返しまで、セリフを決めて紙にします。「自分の言葉で話す」のは慣れた人の贅沢で、苦手な人にとっては決まったセリフがあることが最大の安心材料です。声かけからアポ打診までの台本の作り方はトークスクリプトの作り方で解説しています。②バディ制で組ませる1人で通路に立たせるから心が折れるのです。2人1組(バディ)にすると、1人が声をかけ、足が止まったらもう1人が受ける(成功体験が共有される)断られても隣に仲間がいるので、心理的ダメージが小さいお互いのセリフを聞き合うので、刺さるフレーズが自然に揃っていく③「呼び込みのプロ」を入れる選択肢小規模な出展ほど、呼び込み専任のプロ(コンパニオン・イベントスタッフ)を入れる価値があります。社員は高単価な「アポ打診役」に集中させ、声かけと一次スクリーニングはプロに任せる。役割の分け方はスタッフの役割分担、コンパニオン活用の詳細は展示会コンパニオンの重要性をご覧ください。事前研修とロールプレイングまでやれば、参加メンバーの呼び込みレベルは確実に底上げできます。展示会は、自社が思っているほど製品では記憶に残りません。接客の姿勢のほうがよほど記憶に残ります。足を止める「呼び水」|ノベルティはボールペンより水声かけと並ぶもう一つの呼び込み装置が「呼び水」、つまり足を止める仕掛けです。体験・実演: 動いているデモ、触れる実機。人は「人が何かしているところ」に集まります人だかりの演出: 立ち止まりが立ち止まりを呼ぶ。開場直後の1時間に呼び込みを集中投下して、まず最初の人だかりを作るノベルティ: 配るなら「その場で価値があるもの」ノベルティの意外な正解定番のボールペンより、実は水(ペットボトル)のほうが人は立ち寄ります。1日中歩き回る来場者にとって、その場で欲しいものだからです。ただし、注意点が2つあります。高級ノベルティで釣らない: 豪華なグッズ目当てで集まった名刺は、受注につながりません。ノベルティは「立ち寄るきっかけ」であって「集める道具」ではない配って終わりにしない: 受け渡しの一言に、スクリーニングの質問を必ずセットする(「ありがとうございます。ちなみに○○のご担当ですか?」)展示会の右腕Tips② 呼び込みが効いているかは「配布数」ではなく「配布→会話への転換率」で見てください。100個配って会話が3件なら、配り方かターゲットがズレています。1時間ごとに数えれば、当日中に修正できます。よくある質問Q. 呼び込みの声の大きさはどれくらいが正解ですか?A. 通路の騒音に勝つ声量は必要ですが、「大声で連呼」は逆効果です。それより、通路の流れに対して半歩前に出る立ち位置と、特定の一人の目を見て話しかけることのほうが、声量の3倍効きます。Q. チラシは配るべきですか?A. 配るなら「会話のきっかけ」として使ってください。受け取ってもらえる設計(一言で価値がわかる見出し)については展示会用チラシガイドをご覧ください。Q. 呼び込みを頑張っても、ブースの場所が悪くて人が通りません。A. 位置の不利は呼び込みだけでは覆しきれません。来年に向けて小間位置の取り方を確認しつつ、今回は人の流れがある場所まで出て声をかける・呼び水を強化するの2つで戦ってください。まとめ: 呼び込みは才能ではなく設計無視されるのは人柄ではなく設計の問題。「自分ごとの問い」だけが自動スルーを突破するバッジを見てから、職種別のフレーズを投げる苦手はマニュアル化・バディ制・プロ活用の仕組みで解決する呼び水は体験・実演・ノベルティ。ノベルティはボールペンより水高級ノベルティで集めた名刺は受注につながらない。配布には質問をセットする呼び込みからアポ獲得まで、現場ごと任せるという選択肢株式会社アストラネクスト「展示会の右腕」は、戦略立案・動線設計・トークスクリプト作成・事前研修(ロールプレイング)から、当日の呼び込み・現場ディレクションまでを一気通貫で支援しています。当日はスタッフが現場に入り、呼び込みからアポ打診までグイッと引っ張ります。「声かけできる人材がいない」「毎回、呼び込みで心が折れている」という方は、お気軽に無料相談をお申し込みください。