展示会の当日、ブースの前で何が起きているか思い出してください。盛り上がっている商談が1組、その後ろを素通りしていく来場者が何十人——。展示会の当日運営で一番怖いのは、サボりではありません。頑張っているのに、止まっていることです。1人のスタッフが1人の来場者と長話をしている間、ブースは実質的に閉店しています。ブースを「止めずに回す」ための役割分担・時間設計・仕組みを、当日ディレクションの現場で使っている形のまま解説します。スタッフの役割は3つに分ける|呼び込み・スクリーニング・アポ打診当日のブース運営は、全員が「なんでも屋」をやると確実に崩壊します。機能は3つに分けてください。役割仕事向いている人①呼び込み通路の来場者に声をかけ、足を止めてもらう声が出る人・明るい人(コンパニオン可)②スクリーニングターゲットかどうかを1〜2問で見極めて振り分けるバッジと一言で判断できる人③アポ打診課題を聞き、後日の商談アポを取り付ける営業担当(エースをここに置く)ポイントは2つあります。バトンの設計をセリフまで決めておくこと。呼び込みからアポ打診へ渡すときの「この方、○○でお困りだそうです。詳しい者にお繋ぎしますね」という一言まで決めておくと、引き継ぎで会話の温度が下がりません。エースを呼び込みに使わないこと。一番もったいない配置は、アポを取れる人が通路でチラシを配っていることです。エースの時間は1分でもアポ打診に使ってください。役割ごとのトークはトークスクリプトに落とし込み、当日の人数が少ない場合は「呼び込み+スクリーニング」を兼務にして、アポ打診だけは専任を死守します。商談は10分以内|「当日は仮アポ=量、深掘りは後日=質」ブースでの1組あたりの会話は、10分以内と決めてください。「今この場で決めてもらいたい」気持ちはわかります。しかし、長話をしている間に確度の高い来場者(ホットリード)はブースの前を流れていきます。込み入った質問が出たら、それは深掘りしたい合図ではなく、後日のミーティングに繋げる合図です。「その点、しっかりお答えしたいので、続きはオンラインでお話しさせてください。展示会の後はスケジュールが埋まりやすいので、仮で構いません、今日程だけ押さえてしまいましょう。」このセリフで、長話は10分で「次の約束」に変わります。原則はこれだけです。当日は仮アポ=量。深掘りは後日=質。これで回転率は落ちません。アポの打診トークと切り返しは展示会で当日アポを取る方法をご覧ください。着座スペースは作らないブースに商談用の椅子を置くかどうか、よく相談を受けます。私たちの答えは原則NGです。座った商談は確実に長くなり、1組あたり20〜30分、ブースの一等地が塞がります。それは設備ではなく機会損失です。座って話すべき相手は、「来週のオンライン商談」に座ってもらいましょう。「話しすぎ」は根性ではなく仕組みで止める10分ルールを決めても、現場では破られます。理由は単純で、話している本人は、自分がどれだけ話しているか気づいていないからです。盛り上がっているときほど、です。だから精神論ではなく、可視化の仕組みで解決します。砂時計・ストップウォッチ: デモ机に10分の砂時計を置く。相手にも自然に「時間が来たら次へ」が伝わります声かけ係を決める: 10分超えた商談に「お時間です」のサインを出す役割をスクリーニング係が兼ねる発話時間の表示: 私たちはデモPC上に自分の発話時間を表示するシステムを開発し、現場に導入を進めています。「自分がいま何分話しているか」が見えるだけで、トークは自然に締まります展示会の右腕Tips① 1時間ごとに「声かけ数・会話数・アポ数」をホワイトボードに書き出してください。数字が見えると、長話のコストにチーム全員が気づきます。展示会は終わってから振り返るのではなく、1時間単位で振り返るのが現場のPDCAです。KPIの立て方は展示会のKPI設計へ。コラム: 1日8時間の立ち仕事に備える|展示会前の体づくり役割分担と回転がうまくいっても、最終日の午後に足腰が終わっていたら接客の質は落ちます。展示会は1日6〜8時間の立ち仕事。背中が丸まったスタッフのブースに、来場者は近づきません。立ち姿も接客のうちです。背筋(バックエクステンション): 立ち姿勢の土台。胸を張った立ち姿を最終日まで保つお尻・もも裏(ヒップヒンジ): 名刺を差し出す前傾姿勢を支える肩(サイドレイズ): ノベルティを差し出し続ける腕のスタミナ会期の2〜3週間前から軽くでも始めておくと、3日目の集中力が変わります。当日の服装・靴選びは展示会での服装ガイドもどうぞ。よくある質問Q. スタッフが2人しかいません。3役どう分ければいいですか?A. 「呼び込み+スクリーニング」を1人が兼務し、もう1人がアポ打診に専念してください。最悪でも、アポ打診役が呼び込みに降りない設計だけは守ります。1人出展の場合は、呼び込みをコンパニオンや外部スタッフに任せる選択肢を強くおすすめします。Q. 盛り上がっている商談を切るのは失礼になりませんか?A. 「しっかりお答えしたいので後日ゆっくり」という切り方は、相手にとってむしろ丁寧です。失礼なのは、時間がないまま雑に答えることと、後ろで待っている来場者を放置することです。Q. 当日の現場を仕切れる人がいません。A. 当日のKPI管理・人員配置・回転の管理(現場ディレクション)ごと外部に任せる方法があります。私たちは1時間ごとのKPI確認と配置調整まで現場で行います。詳しくは展示会の営業支援・出展代行サービスとはへ。まとめ: 展示会は「何を話すか」より「どう回すか」役割は3つ: 呼び込み/スクリーニング/アポ打診。エースは打診に専念商談は10分以内。当日は仮アポ=量、深掘りは後日=質着座スペースは原則作らない(機会損失)話しすぎは性格でなく仕組み(砂時計・サイン・可視化)で止める1時間ごとに数字を見て、当日のうちにPDCAを回す株式会社アストラネクスト「展示会の右腕」は、役割設計・動線設計から当日の現場ディレクションまで、展示会の当日運営を丸ごと支援しています。「ブースが回っていない気がする」と感じたことがある方は、無料相談でお気軽にご相談ください。